「鳥羽市から提案された候補地案を検討しよう」第六回市民会議開催

sukeru12282006-01-31

(写真は2/2に中日新聞に掲載された今回の市民会議の記事)
■提案を聞いてみよう
 雨の夜、文化会館の会議室は、委員27名(途中で一名早退)、多数の傍聴者にプレスであっという間ににぎやかになった。今回のテーマは、「鳥羽市からの提案を吟味しよう」、前回1/10の結果は、日和山スカイライン(ドライブイン鳥羽)、堅神、赤崎、の4つの候補地にしぼった時点で、いったん鳥羽市に預け提案を待つというもの。今回からは市長も教育長もオブザーバーではなく、提案する主役となる。
 候補地を決める決め手、それぞれに一長一短あり、どこを選んでも日和山をどう生かすのか?など、鳥羽市の大きなまちづくりの方向性」を決める意志と勇気とビジョンが必要になるのである。市民会議に先駆けてひらかれた、座長、副座長の皆さん幹事さんと教育委員会との打ち合わせの場所でも、鳥羽市から今回提案される内容については、さらに継続して検討する必要がある旨意見が出ていたため、進行をつとめる僕としては慎重に企画を練らせていただいた。
■こどもたちの歌声から
 こどもたちの未来のために、その意識を新たにしていただくために、会議をはじめるきっかけは、こどもたちの歌う「鳥羽小学校校歌」を使わせていただいた。僕がまずお願いをしたのは、「どんなに意見が食い違い白熱しようとも、ずっと議論のテーブルにつきつづけましょう」ということ。「市に決して丸投げすることなく、市民委員ひとりひとりが市長になったつもりで、責任ある議論から逃げない勇気をもちつづけてください」ということ。
 課題は簡単なものはひとつもない。候補地選定の上で、通学路の安全安心度、地域の人の見守り易さなどの市民ポイントの高い候補地(日和山、赤崎など)に限って、実現性、まちづくり上のハードルが高いのだ。こどもたちの未来のために、あえてどんな「価値」を最優先して候補地を決めるのか?それはもうすでに「政治の仕事」の領域にあるのかもしれない。
日和山を大切に思う
 日和山を大切に思う気持ちはみんな一緒でも、「どう」大切にするのかは議論の分かれるところだ。そして日和山という課題は昭和の時代から保留されてきた、鳥羽市みんなで考えなければならない大きな宿題なのだ。
 小学校は、「まちの中心」であり、これからのまちづくりの出発点をどこにするのか、という命題とほとんど等しい。本来ならば、中心が「定点」であるべきかもしれぬ。PTAを中心に鳥羽小学校にふさわしい用地とは?という議論をつづけてゆくと、いかに現校舎の位置がまちの要になっているのかが身に染みてわかるのである。
■各候補地の課題
 堅神は学区においてすぎる。赤崎は逆にすぎる。ちょうど良い位置で通学路の不安も少ない日和山は先人の貴重な文化財が埋蔵されていて造成することをためらう。(ただし不可能ではない)。スカイラインの場所は、中心性と発展性はある程度期待できると考える人もいる反面、通学路の安全安心に関してもっともPTAから疑問視されているのも事実である。(クリアできる課題であるのかどうか検討中である)
■鳥羽にふさわしい教育環境って?
 教育長の、鳥羽にふさわしい教育環境についての考え方が示された。生徒の減少、財政の逼迫、きびしい状況の中でも、いかに現在の学校数がちいさなまち鳥羽にとっては多すぎる、とはいえ、それは離島も含めて「分散化」されたまちの立地条件からみちびかれてきた必然ともいえるわけで、例えば安楽島と鳥羽小まで含めたマンモス校化など一極集中は「地域が守り育てる」という価値観から遠ざかることになる。少なくとも、現況で言えることは、安楽島、鳥羽、加茂の三つは、「定点」としてまちの核にするべきだと考え、学区の整合性をはかってゆくつもりである、と教育長は語りかけた。
■検討をつづけよう
 日和山をどうするのか?という課題に関しては、現況、日和山地区は鳥羽市の所有ではなく民間の企業の持ち物であるという複雑な事情があり、財政的に裏づけなど、もっと詰めた検討をつづけないと、責任の重い市長としては明確にこうすると明言しないことこそ現時点での「市民」への誠実であるとの考えである
 その上で今回、「赤崎、日和山を候補地から外し、スカイライン、堅神の2候補地で検討したい」という提案が鳥羽市から出されたけれども、すっきりと合意するところまでは行かず、継続して検討をつづけていただき、次回もさらに詰めた鳥羽市からの検討の成果を聞こうという結果となったのである。(次回日程は未定、調整中)
 文化会館から外に出ると、雨はいつの間にか、夜に溶けていた。くろぐろとぬれたアスファルトを越えて、僕たちは朝に向かってそれぞれの一歩を踏み出した。